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趣味のミステリ小説 弁護士 平尾嘉晃
趣味でミステリなどの小説をよく読みますが、最近は、母校の京大出身の作家が増えてきました。たとえば、本格推理の綾辻行人やホラー系ミステリの貴志祐介、最近では、「鴨川ホルモ−」、「プリンセス・トヨトミ」の万城目学や「四畳半神話体系」の森見登美彦といったところが有名でしょうか。文学と呼ばれる分野でも、私の在学中、当時の最年少受賞タイで、芥川賞を受賞した平野啓一郎などもおります。
この中でも、特にエンターテインメント性が高く、読んだら最後まで一気読みせずにはいられないのが貴志祐介です。有名な作品としては、日本ホラー小説大賞を受賞した「黒い家」、嵐の二宮和也が主演した「青の炎」などがあり、名前を聞いたことはあるのではないでしょうか。「青の炎」の作風は、小説の技法で言えば倒叙形式と呼ばれています。通常は、探偵あるいは刑事などを主人公として、捜査、謎を解く者の視点で物語が書かれますが、倒叙は、犯罪を犯した者を主人公として一人称で物語が進行していく技法です。倒叙形式は、心理描写、心の葛藤などを描くのに適した技法で、「青の炎」はせつなくも感動する作品になっていると思います。
子どものころは、小松左京や山田正紀などのSF小説にはまっていましたが、SF的な人類の1000年後の世界を描いた「新世界より」も是非おすすめです。途中、主人公の記憶の一部が操作によって失われるのですが、断片的な記憶の断章から、失った自分の大切な記憶を呼び戻していく姿の描き方などは秀逸です。失われた記憶が驚愕のラストにつながる「ダークゾーン」という作品も、まだ文庫化されてなくハードカバーしかありませんが、おすすめです。将棋の駒をモチーフにしたバトルが、将棋の名人戦のように第七局で展開されていくのですが、よくもまあ、こんな設定を思いつくもので、貴志祐介という作家の創造力の豊かさには感服します。
ほかにも、火星のような大地でのサバイバルゲームをテーマにした「クリムゾンの迷宮」、アマゾン奥地からの未知の病原菌の「天使の囀り」などの作品も、予想できない展開で、決して最後まで飽きさせないので、時間があったら是非お読みください。
【2011年5月記】
ランニングブーム 弁護士 宮ア純一
最近、健康志向もあり、にわかにランニングブームが到来しています。京都弁護士会でも、マラソン部が立ち上がるなど密かなランニングファンが増加しています。
ミーハーな私も、ランニングブームに乗り遅れまいと、マラソン部に所属しました。そして、今年の2月末、マラソン部のメンバーと一緒に鹿児島県の桜島ハーフマラソンに出場しました。ところが、気軽にエントリーはしたものの、大会が近付くにつれ、飛行機に乗ってわざわざ鹿児島まで行ってどうして苦しい思いをして約21qも走らなければならないのだろうとの疑問、というより後悔の念が日増しに大きくなっていきました。
しかし、マラソン部の他のメンバーが出場する以上、私だけ逃げるわけにはいかず、止むに止まれず出場することにしました。私はハーフマラソン初出場でしたが、私一人だけでエントリーしていたら、間違いなく出場しないで逃げていたと思います。
大会は日曜日の朝でしたので、土曜日の夕方に鹿児島入りをして、現地でマラソン部の他のメンバーと合流しました。そして、翌日のマラソンのために、エネルギーを蓄えなければならないということで、鹿児島名産の黒豚しゃぶしゃぶを食べに行きました。さすが鹿児島の名産だけあって、比類なき美味しさでした。黒豚しゃぶしゃぶのせいで食欲に火がついてしまい、2軒目の焼鳥屋に行くことになってしまいました。その焼鳥屋は、メンバーの地元の親戚が連れていってくれたお店で、食べ物のメニューは一つしかないという地元の人だけが知っている名店でした。そんな名店に行ってしまったら、食べないわけには行かず、エネルギーの補給どころか、翌日のマラソンに支障が出る程食べ過ぎてしまいました。これ以上食べるのはまずいということになり、食べるのは止めにして、翌日脱水症状に陥らないために、もう少しだけお酒を補給し、解散して宿泊先へ帰りました。
そして、ハーフマラソン当日、ちゃんと寝坊せずにスタートラインに立つことはできました。当日は桜島が噴火しており、煙がモクモクと上がっていました。まるで、前日の我々の不摂生に対する怒りのごとく噴火していました。その噴火を横目に、ハーフマラソンはスタートしました。

最初は順調でしたが、しばらく走っていると、噴火した火山灰がランナーに降りそそいで来て、目や口に入ってきました。折り返し地点を折り返して来たランナーを見ると、顔やTシャツが真っ黒になっており、過酷なレースを物語っていました。沿道の応援の人達を見ると、火山灰を防ぐために傘をさしていました。こんな過酷なレースに何で出場してしまったのだろうとまた後悔しました。しかし、苦しいとき、沿道の人達の応援のおかげで元気が出ました。残り5km地点ぐらいで、沿道の人から「もうすぐゴールだからがんばって!」と声をかけてもらい、その応援に触発されて、ちょっと無理して走って余力が無くなってしまいました。すると、残りの約3kmは、ほぼずっと上り坂で地獄を見ることになりました。
しかし、前日の黒豚、焼鳥及びお酒のおかげで、歩くこと無くなんとかゴールすることができました。タイムは、1時間54分08秒でした。前日の黒豚、焼鳥及びお酒が無ければ、タイムはもっと落ちていたと思います。
走り終わった後、メンバーやメンバーの親戚の方々と温泉に行き、疲れを癒しました。すると、メンバーの地元の親戚が、示現流の師範代ということもあり、ふんどしを着用していることが発覚しました。私は生まれて初めて、ふんどしを着用している方を見ました。お風呂の後、メンバーで焼肉を食べてビールを飲み、流出したエネルギーを補給しました。このときほど、焼肉とビールが美味しいと思ったことはありませんでした。体に染み渡るという感じでした。
そして、夜の飛行機で、私は京都に帰って来ました。鹿児島に行く前は、マラソン出場を何度も後悔しましたが、いざ鹿児島に行って走り終わると、いろいろな意味で、ものすごい充実感を味わうことが出来ました。この充実感こそ、マラソンの魅力なのだろうと思いました。
【2011年8月記】
ゴスペル 司法書士 桝田美佳子
先日ゴスペルのライブがあり、聴く方ではなく、歌う方で参加してきました。
ゴスペルというと、ウーピー・ゴールドバーグ主演の「天使にラブソングを(Sister Act)」を連想される方が多いのではないでしょうか。腹の底からだす大きな歌声とリズム感、そして歌う人みんなが楽しそう…、私がゴスペルというジャンルを知り興味をもったのもその映画がきっかけです。
ゴスペルを習い始めて6年ほどになりますが、始めたきっかけは、受験勉強のストレス発散です。日常生活で歌う機会といえば「カラオケ」がありますが、普通は一人で歌いますよね。初めてゴスペルのレッスンに行った時、多くの人と声を合わせて歌うことって気持ちがいいなぁって思いました。今のクラスは約50名なので、なおさら他のメンバーが歌うパワーを感じます。
毎年秋にライブをしているのですが、今年の選曲の中に「Til We’re Together Again」という曲がありました。ゴスペルは賛美歌ですので、歌詞は神さま(Lord, God)の名前がでてくる曲が多いのですが、がんばって生きている人を励ましたり、いま生きていることへの感謝の気持ちを伝えるものも多いです。この曲は「いま此処を離れて別々の道を歩いて行くけど、また共に歩む日まで私は貴方にために祈っています、そして貴方は私のために祈ってください」という歌詞で、東日本大震災のあとに、レッスンの先生が選ばれた曲です。
今まで「当たり前」だったこと−蛇口から水が出ること、仕事があること、家族の笑顔、大切な人の存在など−が、ある日突然に失われることがあります。今年は東日本大震災、台風12号と、大きな自然災害が発生し、「今まで当たり前と思っていた生活」の大切さに気づき、また今の「当たり前の生活」に感謝した方が多いのではないでしょうか。
私たちクアイアー一同、それぞれ日々いろんなことがあるけれど、みんなで歌えることに感謝し、ライブに来て下さった方々が楽しんでくれて、そして元気になるパワーを与えられたらいいなと思いながら歌いました。そんな私たちの気持ちが伝わっていれば嬉しいなぁと思っています。
次はクリスマスライブに向けてまた練習します。ご興味がある方は聞きに来て下さい。
【平成23年9月記】
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