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〒604-0931 京都市中京区河原町通二条西入宮崎ビル2階
法人化のご挨拶
当事務所は平成28年1月より法人化いたしました。法人名は、「弁護士法人中村利雄法律事務所」としました。
故・中村利雄弁護士は、事務所の創設者であり、私達4名の弁護士の師であり、私達4名は中村利雄弁護士の作ったこの事務所が大好きです。私達は敢えて師匠の名を冠した法人を設立することによって「弁護士は社会生活上の医師だ」と言っていた中村利雄弁護士の考えをそのまま引き継ぎ、この法律事務所を永続的に継承・発展させていこうと考えています。
依頼者の方々にも、従来と変わらない安心を感じて頂きながら、私達らしい「プラスα」も提供して行きたいと思います。どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。
消費者契約法では、事実と異なる勧誘で契約締結させられた場合、取消ができるとしていますが、その対象が「重要事項」とされ、契約の目的となる事実に限定されていました。今回の改正では、この「重要事項」が拡大され、例えば、所有する山林について、市場流通性が認められないにも関わらず、「測量や広告をしないと将来高く売ることができない」と勧誘する行為(いわゆる動機に関する事情)も取消の対象となりました。
2 現代では、高齢者を狙った消費者被害の増加が深刻です。投資取引を仮装したものや、健康への不安、ネット取引等の知識不足につけ込んで、多額のお金を支払わせる、「特殊詐欺」の被害は、年間6兆7000万円(2014年度被害)とも言われ、実に日本の国民総生産(GDP)の1パーセントを超える数値となっています。
京都府内でも、今年の1月〜5月末までに把握された特殊被害の被害額が約4億3000万円にも上り(前年同期の2倍超)、京都府警では緊急会議が開かれています。
3 消費者契約法改正の検討事項では、この高齢者を狙った「つけ込み型不当勧誘」あるいは「執拗な勧誘」「威迫による勧誘」「迷惑を覚えさせる勧誘」の規制について議論がされていました。私も、内閣府の消費者委員会の「消費者契約法に関する調査作業チーム」に参加し、高齢者を狙った消費者被害対策の必要性を訴えてきました。しかし、こうした規制については経済界の反対が極めて強いのが現状です。
経済重視の姿勢から、高齢者の消費者被害が野放しにされている状況には憂慮を覚えます。また、こうした法律改正を議論している時、経済界から必ず出て来るのが、「被害者の声がない。」というものです。
特殊詐欺に代表されるような高齢者消費者被害でターゲットとされるのは、一人暮らし、インターネット等の知識不足、認知症といったいわばハンディキャップを持った人達です。こうした人々からの被害の声がないから、改正の必要がないという意見が出され、それがまかりとおる状況とはいったい何なのでしょうか。
4 来年6月3日から施行される消費者契約法改正法は、法律制定から実に15年を経て、ようやく実現したものですが、肝心な部分の改正がなされておらず不備の多いものです。
ただし、今回の改正では、附帯決議がなされ、今回見送られた検討事項については遅くとも3年以内に必要な措置を講ずることが要請されています。高齢者の消費者被害を根絶するためには、一刻の猶予もなく、さらなる改正が望まれるところです。
現在、法制審議会民法(相続関係)部会において、相続法の改正が検討されています。検討されている主な改正点は次のとおりです。
@ 配偶者の居住権の保護
A 遺産分割における配偶者の相続分の見直し(婚姻期間が長期間にわたる場合等に配偶者の相続分を増加させる)
B 自筆証書遺言の方式緩和
C 遺留分制度の見直し
D 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策 など
このような相続法改正が離婚、税金にいったいどのような影響を及ぼすのでしょうか。
【平成28年7月記】
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