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『トラブルに巻き込まれそう』というときは早めの相談が大切です

TEL. 075-256-0224

〒604-0931 京都市中京区河原町通二条西入宮崎ビル2階

弁護士法人 中 村 利 雄 法 律 事 務 所
−NAKAMURA LAW OFFICE−      

リレーコラムCOLUMN

2016年

法人化のご挨拶            
 
  当事務所は平成28年1月より法人化いたしました。法人名は、「弁護士法人中村利雄法律事務所」としました。

 故・中村利雄弁護士は、事務所の創設者であり、私達4名の弁護士の師であり、私達4名は中村利雄弁護士の作ったこの事務所が大好きです。私達は敢えて師匠の名を冠した法人を設立することによって「弁護士は社会生活上の医師だ」と言っていた中村利雄弁護士の考えをそのまま引き継ぎ、この法律事務所を永続的に継承・発展させていこうと考えています。

 依頼者の方々にも、従来と変わらない安心を感じて頂きながら、私達らしい「プラスα」も提供して行きたいと思います。どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。

【平成28年1月記】


18歳はオトナ   弁護士 吉田誠司

 公職選挙法の改正により、今年から18歳選挙権が実現します。民法上の成年は20歳のままですが、実際にはこれにより「大人・子ども」の概念はかなり変わるでしょう。18歳の若者が「主権者」として我々に仲間入りするのですから。

 選挙をするためには何より情報が大切です。投票する人に、この国の現実、社会の真実が、きちんと伝わっていなければ正しい選択など出来ないからです。憲法でいう「知る権利」「報道の自由」が益々重要になります。放送法の規定でTV局を縛れるかのように言う大臣がいますが、そんな規制は絶対にあってはなりません。

 子どもには、ある程度の年齢になったら主権者としての教育も必要でしょう。学校で、民主政治の仕組みや意見の違う人との議論の仕方、マニフェストや新聞の読み方、選挙制度のことなど、十分教えていかないといけません。
 私は、先日の京都市長選挙の時、小学4年生の我が子を投票所に連れて行って私が投票する様子を見学させようとしたのですが、中まで入るのは止められました。乳幼児ならいいが、この年齢ならダメだというのです。たまたま出口のところに投票所全体を見渡せる待合イスがあったので、そこで見せましたが、せっかくホンモノを間近に見る機会だったのに残念でした。
 日弁連では今年10月の人権擁護大会(福井県開催)で、主権者教育をテーマにしたシンポジウムを行います。私も参加しようと思っています。

 大学構内に投票所があったら便利ではないでしょうか。現実にそういう動きがあり、山形県の大学や、豊中市の大阪大学ではすでに行われました。私は先日、京都選出の国会議員の方々と懇談する機会があり、大学の多い京都でこれが出来ないものか聞いてみました。すると、「有意義だと思うが技術的にかなり難しい」とのことでした。政令指定都市では行政区ごとに投票所を置くことになっていて、左京区なら左京区の住民だけが左京区の投票所で投票します。大学生はいろんな区に住民登録があって通って来るから、ちゃんとやろうとすると、全市の選挙名簿を各大学に備え付け、かつ二重投票がないかオンラインでチェックしないといけないそうです。なかなか難しいものです。

 むかし、女性に選挙権が認められたときには、みな喜々として投票に行ったそうです。18歳の若者も、ぜひ、今年から喜々として選挙に行ってほしいと思います。

【平成28年4月記】

2016年消費者契約法の改正   弁護士 平尾嘉晃

1 消費者契約法の改正法が、2016年6月3日に公布され、1年後の2017年6月3日から施行されます。

消費者契約法では、事実と異なる勧誘で契約締結させられた場合、取消ができるとしていますが、その対象が「重要事項」とされ、契約の目的となる事実に限定されていました。今回の改正では、この「重要事項」が拡大され、例えば、所有する山林について、市場流通性が認められないにも関わらず、「測量や広告をしないと将来高く売ることができない」と勧誘する行為(いわゆる動機に関する事情)も取消の対象となりました。しかし、多くの検討事項が見送られてしまい、特に高齢者の狙った不当な勧誘に対する改正提案も見送りとなりました。

2 現代では、高齢者を狙った消費者被害の増加が深刻です。投資取引を仮装したものや、健康への不安、ネット取引等の知識不足につけ込んで、多額のお金を支払わせる、「特殊詐欺」の被害は、年間6兆7000万円(2014年度被害)とも言われ、実に日本の国民総生産(GDP)の1パーセントを超える数値となっています。
  京都府内でも、今年の1月〜5月末までに把握された特殊被害の被害額が約4億3000万円にも上り(前年同期の2倍超)、京都府警では緊急会議が開かれています。

3 消費者契約法改正の検討事項では、この高齢者を狙った「つけ込み型不当勧誘」あるいは「執拗な勧誘」「威迫による勧誘」「迷惑を覚えさせる勧誘」の規制について議論がされていました。私も、内閣府の消費者委員会の「消費者契約法に関する調査作業チーム」に参加し、高齢者を狙った消費者被害対策の必要性を訴えてきました。しかし、こうした規制については経済界の反対が極めて強いのが現状です。
  経済重視の姿勢から、高齢者の消費者被害が野放しにされている状況には憂慮を覚えます。また、こうした法律改正を議論している時、経済界から必ず出て来るのが、「被害者の声がない。」というものです。
  特殊詐欺に代表されるような高齢者消費者被害でターゲットとされるのは、一人暮らし、インターネット等の知識不足、認知症といったいわばハンディキャップを持った人達です。こうした人々からの被害の声がないから、改正の必要がないという意見が出され、それがまかりとおる状況とはいったい何なのでしょうか。

4 来年6月3日から施行される消費者契約法改正法は、法律制定から実に15年を経て、ようやく実現したものですが、肝心な部分の改正がなされておらず不備の多いものです。
  ただし、今回の改正では、附帯決議がなされ、今回見送られた検討事項については遅くとも3年以内に必要な措置を講ずることが要請されています。高齢者の消費者被害を根絶するためには、一刻の猶予もなく、さらなる改正が望まれるところです。

【平成28年6月記】

相続法改正が離婚・税金に及ぼす影響   弁護士 宮ア純一

現在、法制審議会民法(相続関係)部会において、相続法の改正が検討されています。検討されている主な改正点は次のとおりです。

@ 配偶者の居住権の保護
A 遺産分割における配偶者の相続分の見直し(婚姻期間が長期間にわたる場合等に配偶者の相続分を増加させる)
B 自筆証書遺言の方式緩和
C 遺留分制度の見直し
D 相続人以外の者の貢献を考慮するための方策 など

 このような相続法改正が離婚、税金にいったいどのような影響を及ぼすのでしょうか。

  上記のとおり、相続法改正では、相続における配偶者の保護をより厚くするための方策が検討されています。昨今の日本の離婚率は、3組に1組とも言われ、婚姻件数が減少する一方で、離婚件数が増加していると言われています。配偶者の保護を厚くする相続法の改正が、離婚に歯止めをかける可能性はあります。離婚で受け取る財産分与よりも、相続によって受け取る遺産の方が多ければ、離婚件数の増加に歯止めがかかるかもしれません。

 しかし、よく考えると、配偶者の相続分を増加させることは、相続税にも影響を及ぼす可能性があります。相続分の増加部分について、相続税の二重取りの可能性があり得るからです。増加した配偶者の相続分は、2回の相続を経ることになります(被相続人  配偶者 → 子ども)。配偶者の相続分の増加がなければ、被相続人から直接に子どもに相続されるものが、配偶者の相続分が増加したことで、直接に子どもに相続されずに配偶者を経由することになるのです。

 離婚に歯止めをかけるかもしれない相続法の改正も、よくみると、相続税収アップのための改正なのかもしれません。したがって、相続法の改正だけではなく、相続税に関する改正も強く望まれます。

 最後に、離婚によって新たな人生をスタートさせることは、とても素晴らしいことだと思います。悩みながら無理して夫婦でいるよりは、離婚したほうが明るく前向きにその後の人生を送れる場合もあります。

  離婚、相続でお悩みの方は、ぜひ当事務所にご相談ください。

【平成28年7月記】


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